全国視覚障害者結婚相談所

視覚障害があってもマッチングアプリは使えるのか VoiceOver操作の実例と限界

視覚障害があると、マッチングアプリは使えないと考える人は少なくありません。画面を見て操作することが前提のツールに見えるためです。しかし実際には、音声操作だけで一通りの操作が完結するアプリもあります。今回は全盲の方から寄せられた具体的な報告をもとに、実際どこまで使えるのかを整理します。

今回取り上げる「TOKYOふたりSTORY」は、東京都内に在住・在勤・在学する方が対象のサービスです。全国どこからでも登録できるわけではありません。この記事の目的は特定のサービスを紹介することではなく、視覚障害があってもマッチングアプリを実際に操作できるという事実を伝えることです。地域の条件に当てはまらない方も、後半の内容は参考にしてください。

TOKYOふたりSTORY(TOKYO縁結び)とはどんなサービスか

TOKYOふたりSTORYは東京都が運営する結婚支援ポータルサイトで、AIマッチングシステム「TOKYO縁結び」を提供しています。登録できるのは18歳以上で結婚を希望する独身の方のうち、東京都内に在住・在勤・在学のいずれかに該当する人です。スマートフォンやパソコンでインターネットに接続し、自分で操作できることも条件になっています。

料金については、月会費やお見合い料、成婚料はかかりません。写真撮影や証明書類の取得など個人的にかかる費用は自己負担です。地域限定のサービスですが、公的機関が運営するマッチングサービスとして一定の実績があります。

VoiceOverでの操作は実際どうだったか

今回、全盲でTOKYOふたりSTORYを利用している方から情報提供がありました。VoiceOverによる音声操作のみで、登録から利用まで一通りの操作ができているとのことです。これまで操作面で支障が出たことは一度もないと報告されています。

VoiceOverはiPhoneに標準搭載されている画面読み上げ機能です。画面を見なくても、指の操作と音声案内だけでアプリを使えるようにします。ボタンの位置や文字の入力箇所を音声で確認しながら進められるため、視覚に頼らずに操作を完結できます。

ただし、これは一人のユーザーからの報告であり、東京都がVoiceOverへの対応を公式にうたっているわけではありません。アプリのアップデートによって操作性が変わる可能性もあります。実際に使う場合は、まず自分の環境で問題なく操作できるかを確認しておくことをおすすめします。

マッチングアプリ全般に言えることですが、真剣に結婚を考えて活動している人がいる一方で、婚活とは関係のない勧誘や詐欺の被害に遭うケースも実際にあります。相手が真剣に活動しているかどうかを見極め、不審なやり取りとの線引きができるのであれば、マッチングアプリを使うメリットは十分にあります。なお、TOKYOふたりSTORYに関しては他のマッチングアプリと比べ真剣に活動している方が多い印象という感想もいただいています。

東京都以外に住んでいる場合はどう考えるか

TOKYOふたりSTORYは東京都内在住・在勤・在学の人が対象のため、それ以外の地域に住んでいる場合は登録できません。ただ、今回の報告から分かるのは、視覚障害があっても音声操作だけでマッチングアプリを問題なく使えているという事実です。地域が変わっても、この点自体は参考にできます。

実際の婚活では、アプリの操作以外にも移動や相手への状況の伝え方など、考えておくべき課題は残ります。当相談所では、こうした課題を含めて視覚障害のある方の婚活を全国で支援しています。全国から参加できる場として「あいまっち」というコミュニティも用意しています。

操作面の不安だけで婚活自体をあきらめる必要はありません。気になる方は、まず相談から始めてください。

【あいまっち】8月のおしゃべり広場のご案内(8月8日開催)

あいまっちでは、8月8日(土)にオンラインの「おしゃべり広場」を開催します。

婚活のこと、恋愛のこと、日々感じていることなど、気軽におしゃべりできる場です。視覚障害のある方はもちろん、まだ入会をご検討中の方もお気軽にご参加いただけます。

今回は、担当の内山亜希に加えて、斎藤真理子さんもご一緒します。斎藤さんは視覚障害にも明るく、婚活経験もお持ちの晴眼の女性です。長年、肢体不自由の方の就労・教育支援に携わってこられた方で、その現場では恋愛のご相談を受けることも多かったとのこと。視覚障害とはまた異なる角度から、温かくリアルなお話が聞ける機会になればと思っています。

■ 開催概要
日時:8月8日(土)10:00〜12:00
担当:内山亜希・斎藤真理子さん
参加方法:オンライン(Zoom)

参加をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

あいまっちへの入会をご検討中の方は、こちらもあわせてご覧ください。

皆さんとお話できるのを楽しみにしています。

あいまっち・全国視覚障害者結婚相談所
内山亜希

視覚障害者のある女性のご成婚がありました

この度、女性のご成婚がありましたので報告します。

7月に無事、成婚退会されました。お相手は晴眼の男性です。
1年ほどの活動期間で、活動の始めからはっきりとしたパートナーへのビジョンをお持ちでした。

しっかりと周りからのアドバイスに耳を傾けながらもご自身の人生の先を見据えた婚活をされたのが印象的です。
今は成婚後の忙しさの中にいらっしゃると思います。

この度は本当におめでとうございました。

活動の振り返りなどがありましたらまた共有させていただければと思います。

一緒にいないと気持ち悪いくらい、になってきた

婚活をしていると、「好きかどうか」を自分に問い続けることがあります。でも、感情はそんなに整理よく出てくるものではありません。ある時点で気づいたら、そうなっていた、というのが実際のところです。

「やっぱり一緒にいないと気持ち悪いくらいになった」。当相談所のある会員(全盲)が、活動の中での感情の変化を話してくれた言葉です。

感情の変化は、だんだんと分かってくる

この方は、もともと一人の時間を大切にするタイプだと話していました。誰かと一緒にいることへの必要感が、それほど強くなかった。

それが、毎日のように連絡を取り、会う機会が増える中で、変わっていきました。「いないと気持ち悪い」という感覚は、意識して作ろうとしてできるものではありません。自然にそうなっていた、という話です。

婚活は「この人でいいか」を判断する場として考えられがちです。でも実際には、関わりの中で感情が育っていくプロセスでもあります。最初から確信があるわけではない。続けていく中で、気持ちが変わっていくことがあります。

視覚障害があっても、感情の動きは同じ

視覚障害があると、相手と会う機会の設定に手間がかかることがあります。移動、場所の確認、相手との段取り。そのぶん、会うまでのやりとりが多くなります。電話やメッセージで言葉を交わす時間が長くなることも多いです。

その過程で、相手のことが分かってくる。声のトーン、話すペース、言葉の選び方。目で見る情報とは別のところで、その人のことが伝わってきます。「一緒にいないと気持ち悪い」というくらいに気持ちが動いていくのは、そういう積み重ねの先にあります。

当相談所では、視覚障害のある方が婚活を通じてこうした経験に至れるよう、サポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

力を抜いてきたタイミングで、出会いが来た

婚活は、続けているとどこかで疲れてきます。「うまくいかない」「自分には難しいのかもしれない」と思い始める時期が来ることもあります。

そういう時期を経て、少し肩の力を抜き始めたところで出会いが来た、という方がいます。「少し力を抜こうかなってなった時に、出会うもんなんですね」という言葉は、そこから出てきました。

力が入りすぎているとき、何が起きているか

婚活に力が入りすぎているとき、相手のことよりも「うまくやらなければ」という意識が前に出てきます。会話もデートの段取りも、評価されることへの意識が強くなります。

視覚障害のある方の場合、そこに「障害をどう伝えるか」「どう受け取られるか」という心配が加わることがあります。動きやすい場所の確認、移動の段取り、相手への説明。準備することが多くなると、自然体でいることが難しくなります。

でも、力が抜けたときに変化が起きた、という話は珍しくありません。「どうにかしよう」ではなく「まあ行ってみようか」くらいの気持ちで動いたときに、思っていなかった展開になることがあります。

疲れてきたなら、やめる前に一度ゆるめてみる

婚活を途中でやめる方の多くは、疲れてから決断します。でも、疲れているときの判断は、必ずしも正確ではありません。少しペースを落として続けると、何かが変わることがあります。

当相談所では、無理なペースで活動を続けることは勧めていません。状況に合わせてペースを調整しながら、婚活を続けられるようにサポートしています。「少し休みたい」という気持ちになっている方も、まずはご相談ください。

婚活をして、知らなかった自分に気づいた

婚活は、相手を探す活動です。でも、活動のなかで自分のことを知る機会にもなります。これは視覚障害のある方に限らず、多くの方が経験していることです。

当相談所にご登録いただいたある方は、活動を通じてこう話してくれました。「知らなかった自分をいっぱい発見できた」と。

自分のことは、自分が一番知らない

「一人の時間を大切にするタイプだと思っていた」「あまり人に依存しないほうだと思っていた」。そう話していた方が、誰かと過ごす時間の中で、自分の気持ちが思っていたものと違うことに気づいていきました。

誰かと深く関わる経験がなければ、分からないことがあります。相手とのやりとりの中ではじめて見えてくる、自分の感情や反応があります。婚活はその機会になります。

視覚障害があると、日常生活の中で「できることとできないこと」をすでに把握していることが多いかもしれません。でも、誰かと一緒にいるとき、自分がどうしたいか、何を大切にしたいかは、実際に関わってみるまで分からない部分があります。

この方も、恋愛にはずっと背を向けてきたんだそうです。

そのままの自分でいてもいいし、変わってみてもいい。お話を聞かせてもらって、そんなふうに感じました。

婚活を始める前に「準備ができているか」は関係ない

「もっと自分のことが分かってから婚活しよう」と思っている方がいます。でも、自分のことは婚活の中で分かっていくことが多いです。準備が整ってから始めるものではなく、始めながら整っていくものです。

当相談所では、視覚障害のある方が婚活を通じて自分のことを知り、相手のことを知り、出会いに向かっていけるようサポートしています。「まだ早いかもしれない」と感じている方も、まずはご相談ください。

あいまっち、現在6名が登録中です

婚活コミュニティ「あいまっち」の現在の登録者数をお知らせします。

あいまっちの登録状況

2026年5月に開設した視覚障害者向け婚活コミュニティ「あいまっち」には、現在6名が登録しています。女性3名・男性3名です。居住地は関東・東海エリアの方が中心です。年代は20代から50代まで幅があります。

あいまっちはIBJ(日本結婚相談所連盟)を通じた仲人活動とは別に、当相談所が独自に運営しているコミュニティです。IBJでのマッチング活動とは仕組みも目的も異なります。詳しくはあいまっちのページをご確認ください。

登録者数・活動状況の詳細

あいまっちの登録者一覧およびIBJ活動状況の詳細は、専用ページにまとめています。随時更新しています。

当相談所の活動について、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

網膜色素変性症があっても婚活できる?全国視覚障害者結婚相談所での活動と成婚の実例

網膜色素変性症と婚活、よくある不安

網膜色素変性症は、徐々に視野が狭くなる進行性の眼疾患です。現時点での見え方だけでなく、「将来どうなるか分からない」という不確かさが、婚活をためらう大きな理由になりやすい疾患です。

よく聞く不安は、「相手に病気のことをどう伝えるか」「進行することを知ったら引かれるのでは」「そもそも自分を受け入れてくれる人がいるのか」といったものです。

実際に成婚された方も、入会前はこうした不安を抱えていました。それでも婚活に踏み出せた理由のひとつが、「最初から全部出す」という決断でした。過去に病気を隠して交際を進めた結果、関係が壊れた経験から、「隠すことが相手の時間を奪う」と気づいたとおっしゃっています。

病気の伝え方と、相手の受け取り方

網膜色素変性症を持つ方の婚活で、もっとも慎重に考える必要があるのが「いつ、どのように伝えるか」です。隠して進めることはできませんし、初対面で詳細をすべて話すことが必ずしも良いわけでもありません。

当相談所では、どの段階で開示するか相談はしますが、これまで全ての人がプロフィール段階で視覚障害があることを開示したうえで活動を進めたいと言われます。最初から知ったうえで会いに来てくれる相手とご縁をつないでいくので、後から発覚するリスクがありません。

見えにくさの具体的な内容については、その場その場で自然に伝えていくスタイルが実際の活動でも機能しています。「どこまで見えるか」を一度にすべて説明しようとするより、生活や行動のなかで少しずつ共有していくほうが、相手も受け取りやすいようです。

当相談所でご成婚された40代半ばの男性は、弱視・網膜色素変性症をお持ちで、かつて病気への理解が得られず破談になった経験がありました。それでも「最初から正直に伝えたうえで理解してくれる人と出会いたい」という思いで入会し、晴眼の女性と6ヶ月でご成婚されています。お相手は、記入が必要な場面でさりげなく手伝ったり、暗い場所でそっと手を引いてくれたりと、自然体で寄り添ってくださる方でした。

活動を続けるための具体的なサポート

婚活で必要なのは、気持ちだけではありません。連絡の取り方、デートの段取りなど、視覚障害のある方にとって、こうした実務的なサポートがあるかどうかが、活動を続けられるかどうかに直結します。

当相談所では、日々の連絡習慣づくりやデートの振り返り、デートコースなど、活動の細かい部分を一緒に整えられます。また、医療・福祉の専門機関をご紹介することもあります。先述の成婚者様の場合、国立障害者リハビリテーションセンターをご紹介したことで、同じ疾患を持つコミュニティとのつながりが生まれ、お相手やそのご家族の安心にもつながりました。

婚活は当事者だけの問題ではなく、相手とその家族も含めた関係づくりです。そこまで視野に入れたサポートをしています。

網膜色素変性症があっても、婚活を始めた方がいます。成婚した方がいます。まずは現状をお聞かせください。

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まるごと受け入れてくれる人が、いるんだと気づいた

婚活をしていると、「障害のことをどう伝えるか」という悩みが出てきます。いつ話すか、どう説明するか、どう受け取られるか。気を使いながら慎重に伝えても、そこで終わってしまうことがあります。

だから、「まるごと受け入れてくれる人に出会えるだろうか」という不安は、多くの方が持っています。

「まるごと」とはどういうことか

「障害を気にしない人」という言い方があります。でも、気にしないというのは少し違います。障害は、その人の生活の中にあります。移動のしかた、情報へのアクセス、日常の段取りのつけ方。それらは全部、その人自身の一部です。

まるごと受け入れるというのは、そういった部分も含めて「その人」として見てくれることです。特別扱いでも、感動でも、同情でもなく、ただ一緒にいる相手として接してくれること。

当相談所にご登録いただいたある男性(全盲)は、お相手との時間を経てこう話してくれました。「こんな人がいるんだな、と思いました」と。当相談所が掲げている「まるごと受け入れてくれる相手を見つけましょう」という言葉を思い出されたそうです。

その人自身として認識される感覚

お相手の女性は、視覚障害のことを「扱う」のではなく、一緒にいるなかで自然に受け取っていました。外を歩くときの手引きも、食事のときの細かいやりとりも、特別なことではなく、ふたりの間で成立していたようです。

障害を「乗り越える」という言葉は、よく使われます。でも、乗り越えなければならない壁として見られている時点で、その人はすでに少し別のカテゴリに置かれています。「こんな人がいるんだな」という言葉の中には、そうではない感覚があります。壁として見られていない、ただ一緒にいる相手として見てもらえた、という感覚です。

当相談所では、視覚障害のある方が婚活を始めるところから、こうした出会いに至ってご結婚されるまでをサポートしています。「自分には難しいかもしれない」と思っている方も、まずはご相談ください。

黙って歩いてるのも心地いい、と思える相手に出会った話

婚活で誰かと会うとき、「会話が続くかどうか」を心配する人は多いです。特に初対面に近い相手と過ごす時間は、沈黙が怖くなることもあります。

でも、ある方はこう話してくれました。「黙って歩いてるのも心地いいね、って思えた」と。

この方は全盲で、外出時はお相手に手引きをしてもらっています。

手引きで歩くということ

手引きは、ただ目の代わりをする行為ではありません。ふたりの間に、言葉ではない情報が流れます。歩くペース、立ち止まるタイミング、体重のかかり方。それらが自然に合っていると、一緒にいることそのものが心地よくなるようなのです。あなたにもそんな経験、ありませんか?

この方がお相手と歩いたとき、ずっと話していたわけではなかったといいます。ところどころ黙って歩く時間がありました。でもその沈黙が、苦痛ではなかった。むしろ落ち着いた。

「黙って歩いてるのも心地いいね」という言葉は、そこから出てきました。会話の中身ではなく、一緒にいる時間そのものが安心できる、ということです。

婚活で「会話が続くかどうか」よりも大切なこと

婚活の場では、話題を用意したり、相手を楽しませようとしたりすることに気を使いがちです。でも、本当に相性の合う相手というのは、何かしていなければならない相手ではないことが多いです。

黙っていても苦にならない。それだけで、一緒にいられるという感覚があります。

視覚障害があると、手引きという場面を通じて、そのことがより具体的に分かります。歩くリズムが合う、ペースを押しつけない、立ち止まるときに自然に止まれる。それができる相手かどうかは、言葉を交わす前から伝わります。

なぜそう書けるかというと、結婚相談所での活動で成婚退会(せいこんたいかい。ご成婚のために結婚相談所を退会すること)した全盲の女性も同じことを言っていたからです。

そんなお相手に、あなたも出会ってみませんか。

当相談所では、視覚障害のある方が婚活を通じてこうした相手と出会えるよう、サポートしています。プロフィールの書き方から始まって、移動や待ち合わせの不安、相手への伝え方、デートの段取りなど、具体的なところを一緒に考えていきます。

まずはお気軽にお問い合わせください。