先日、全国視覚障害者結婚相談所で成婚退会された会員さんがいます。
30代後半の女性で、弱視があります。持病もあります。
婚活を始める前、ご本人は結婚をほとんど考えていませんでした。
それが1年2ヶ月後に成婚。
その過程でとりわけ悩んだのが、「持病のことをいつ伝えるか」でした。
ご本人の了承を得て、事実関係をもとに当相談所で書き下ろしています。
結婚を考えていなかった人が、1年2ヶ月で成婚するまで
この女性は、もともと結婚をほとんど考えたことがありませんでした。
考えが変わったきっかけは、社会福祉士が運営する相談所があると知ったことです。「自分も結婚を考えていいのかな」と思えたそうです。他の婚活サービスは使わず、自分の障害を理解している人が伴走してくれる相談所として、全国視覚障害者結婚相談所を選ばれました。
入会当初は、うまくいかない時期が続きました。IBJアプリの仕組み、婚活市場の現実、ご自身の活動の見直しなど、担当カウンセラーと試行錯誤を重ねました。担当カウンセラーも相談所で成婚した経験者です。失敗談も成功談も共有しながら進めました。
後半になると、お見合いやデートの予定が増え、スケジュール調整が追いつかないほどになりました。最初から順調だったわけではありません。活動の進め方を見直し続けた結果です。
仮交際の初回デートでは、カウンセラーから「公園にシートを敷いて、サンドイッチでも食べてきては?」と提案されました。ご本人は「初回デートで!?」と懐疑的だったそうです。それでも実際に行き、そのお相手、40代前半の男性と成婚しました。
持病を伝える時期を自分で決め、相手がそれを待ってくれた
ご本人の一番の悩みは、持病のことをいつ伝えるかでした。
まず一人の人間として自分を知ってほしい。そのため、プロポーズされるまでは、持病の詳細に触れないと決めていました。お相手も無理に聞き出そうとはしませんでした。話したいときに話せばよい、という姿勢で待っていたそうです。
転機は、デート中の入場待ちの列でした。ふとしたタイミングで、持病のことに少しだけ触れています。
後日、彼から「あの日はすごく印象に残っている」と言われました。彼にとっては、持病の内容よりも、打ち明けてくれたことのほうが嬉しかったそうです。
この出来事で、ご本人は気づきました。この人は持病や肩書きではなく、一人の人間として自分を見てくれている。それが結婚を意識するきっかけになりました。
ご本人からは、次のメッセージをいただいています。
「思うようにいかない時期も、遠回りではありません。自分に自信を持ち、相手への思いやりも忘れずに、ときにはカウンセラーの力も借りてほしい」という内容です。
焦らず自分のペースで臨んだことが、ご縁につながったと感じています。
弱視や視覚障害のある方が、持病を伝えるタイミングを考えるときのポイント
この成婚エピソードから言えるのは、伝える時期にひとつの正解はない、ということです。自分で決めてよいことですし、相手が待ってくれる場合もあります。
ただし、デートを進めるうえで必要な情報は、早めに伝えたほうがよい場面があります。待ち合わせの方法、店の中での移動、メニューの読み上げなど、見え方に関する配慮がその例です。伝えないままだと、当日お互いが困ります。
そこで、伝える内容を2つに分けて考えてみてください。ひとつは、デートを進めるために必要な情報です。もうひとつは、持病の経過や気持ちなど、話したくなったときに話せばよい情報です。前者は早めに、後者は自分のペースで。この整理だけでも、悩みは軽くなります。
こうした判断を一人で抱える必要はありません。当相談所は社会福祉士が運営しており、障害への理解がある立場で、伝え方やデート場所の選び方を一緒に考えます。
詳しいエピソードは、IBJの公式ページにも掲載されています。