結婚相談所を利用して実際に結婚した全盲女性のお話

(2025年1月15日リライト)

今回は、結婚相談所を利用して、実際に結婚した沙織さん(仮名、38歳、全盲)のお話を紹介します。

目次

どうして結婚相談所で活動したのか?

沙織さんが結婚相談所で活動していたのは31歳の時です。
沙織さんはアプリなどではなく、初めから結婚相談所で活動しました。アプリは怖かったり、怪しい人がいると思い、安心な結婚相談所を選んだそうです。

何より、先に結婚相談所に入会していた同級生がうまくいったことを知ったからでした。

どんな結婚相談所に入会したのか?

結婚相談所には2つ所属していました。相談所を探すにあたっては、「障害者、結婚」などで調べたそうです。

結婚につながった結婚相談所では、障害者の受け入れをしていました。そこに入会して半年で現在の旦那様に出会い、合計1年ほど所属していたそうです。

もうひとつの結婚相談所は、パーティーをメインにしているところでした。障害者と健常者の参加するパーティーをしており、何回かパーティーに行くと無料で入会させてもらえ、月会費もなかったため、1年ぐらい入っていたそうです。

ところが、なんと月会費がないことによって、モチベーションが上がらず、むしろ本気の婚活ができなかったといいます。

どのように活動していくのか?

さて、ご結婚につながった相談所の話に戻ります。はじめのうちは申し込んでも申し込んでもお見合いまで辿り着かず、どういう風に活動していったら良いのか、とても悩んだそうです。

所長はプロフィール作りを手伝ってくれましたが、3ヶ月、4ヶ月してもお見合いが全く成立せず、担当仲人もどうしたらいいかわからない様子だったと言います。

そこで沙織さんは、とにかくいろんな人に申し込みをしていきました。嫌なところがなければ申し込んでみると言うスタンスで申し込みを続けました。プロフィールは読みますが、それで全てがわからないのは当然かなと思ったとのこと。

ここが沙織さんの勝因だったと思います。この結果、3人とお見合いが組め、今の旦那さんと結婚することになりました。

また条件は広めにしていたとのことです。
当時31歳だった沙織さんは+5歳までと思って活動し始めましたが、+10歳位まで対象を広げました。
さらに、居住地検索では近隣の県にも範囲を広げたそうです。対象を広げると言う事は、障害者に限らず結婚相談所で活動する方のほとんどが経験することです。

仲人のアドバイスもない中、ご自身で考え広げていかれたところも、沙織さんのナイス判断でした。

お見合いはどんな風にするのか?

さて気になるのはお見合いです。どのようにされていたのか聞くと、お見合い会場はネットで場所と行き方を調べ、駅直結のホテルのラウンジにするなど工夫して、ご自分でいかれたそうです。

沙織さんは独力でしたが、私やガイドヘルパーなどと事前の下見に行く方法もありますし、私がお引き合わせすることもできます。そのあたりのご希望は打ち合わせでお聞かせください。

なお、結婚相談所では、お相手を見つけたら、できれば男性のほうからお声掛けすることになっています。席の予約がしてある場合は、お席にて待ち合わせの場合もあります。
しかしながら、お見合いの多くが土日に集中し、ホテルのラウンジとなると事前の予約ができないことが多いです。その場合は、暗黙の了解で男性が早めに行って受付し順番待ちをすることになります。もちろん女性も早めに行って先に順番を記入しておくのもありです。

そして、お茶代は男性が負担するのが原則になっています。男性にとっては出費になりますが、女性は男性に比べてメイクや髪型などお金をかけなければならない部分も多いですし、慣れないヒールの靴を履いたりとお相手男性のために精一杯のことをしていますので、
その点を含みおきいただけると気持ちも違ってくると思います。また、女性は払ってもらって当然ということのないようにしたいですね。

どうやって相性を見るのか?

沙織さんのお話でいちばん興味深かったのが、お見合い後です。お話を終えて、お相手に手引きをしてもらって駅まで行くのですが、その時の、歩幅や速度などがとてもしっくりきたのが今の旦那さんだったとのことです。こんなところでも相性が計れるのですね。

また相性と言えば、視覚障害があるといっても、相手が世話を焼きすぎるために沙織さんから交際終了した方もいたそうです。必要以上の支援をしてくれる人は、お互いに疲れてしまいますね。これは会ってみないとわかりませんね。

結婚後はお子さんも!

その後、沙織さんはお子さんをご出産されました。家族3人でのお出かけ中に私のインタビューにお答えくださり、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

全国視覚障害者結婚相談所があることが心強い!

今回、お話を聞くにあたり私の自己紹介もしたのですが、沙織さんから嬉しいお言葉をいただきました。
「これからの人は内山さんがいて心強いと思います」
改めて、私も頑張っていこうと思った瞬間でした。

ちなみに、結婚相談所の連盟がいくつかあるのですが、沙織さんは2025年現在、最大手の上場会社IBJだったそうです。全国視覚障害者結婚相談所での活動も同じくIBJでしていただけます。あなたもこの人生、せっかくならチャレンジしてみませんか。

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