弱視の方へ贈る「お見合い」の必勝ヒント:メニューを武器に、自分らしさを伝える方法

視覚に課題(弱視・ロービジョン)を抱えながら婚活を進める際、「お見合いでどう振る舞えばいいのか」「どのタイミングで自分の見え方を伝えればいいのか」と悩む方は少なくありません。

今回は、実際にご成婚へ向けて活動されている会員様の事例を交えながら、お見合いを成功に導くための具体的なヒントをご紹介します。キーワードは「事前の準備」「魅せ方の工夫」そして「心のギブ&テイク」です。

目次

お見合いの場において、視覚的なハンディキャップを「ただの不便なこと」として終わらせるか、それとも「自分なりの工夫で人生を切り拓いている強み」として魅せるか。その分かれ道は、意外にもテーブルの上の「メニュー」にあります。

1. 事前準備と「スマホ活用」で、不安を自信に変える

お見合いの成功は、当日の第一声よりもずっと前、「準備」の段階から始まっています。
見えづらさを抱えている方にとって、初めて行く場所、初めて見るメニューは緊張の種。だからこそ、実際に成婚に近づいている方は、会場となるカフェへ事前に「下見」に行ったり、インターネットでメニューをあらかじめ確認して内容を頭に入れたりしています。

「何を頼むか決まっている」という余裕があれば、当日は相手との会話に100%集中できるようになります。そしてここからが、弱視の方ならではの「スマートな自己開示」のテクニックです。

あえてお見合いの場で、メニューを手に取ってみてください。その際、自分がどのように工夫して生活しているかを自然に見てもらうのです。
例えば、「少し文字が見えにくいので、いつもこうして読んでいるんです」と一言添えて、スマートフォンでメニューを撮影し、画面をピンチアウト(拡大)して読む姿を見せてください。

これは単に「読めないから助けてほしい」というメッセージではありません。「私は見えづらさがあるけれど、こうして最新のツールや工夫を使いこなして、自立した生活を送っています」というポジティブな自己紹介になります。相手は、あなたの「課題を解決する力」や「前向きな姿勢」を目の当たりにし、安心感を抱くはずです。

2. 「してもらう」から「与え合う」関係へ。言葉でギブする魔法

お見合い中、お相手にメニューを読んでもらったり、エスコートしてもらったりする場面があるかもしれません。その時、「すみません」と申し訳なさそうに謝っていませんか?
婚活において、一方的に助けてもらうだけの関係は長続きしません。大切なのは、何かをしてもらったときに、必ずあなたからも「何かを相手に与える(ギブする)」ことです。

とはいえ、高価なプレゼントを用意する必要はありません。最も強力なギフトは「心に響く言葉」です。

  • メニューを読み上げてくれたら:「とても聞き取りやすいお声ですね。整理して教えていただけたので、すごく助かります」
  • 段差を教えてくれたら:「細かなところまで気がつく、とてもお優しい方なんですね。安心します」

このように、相手の行動を肯定し、その人の人間性を褒める言葉を返しましょう。視覚からの情報が限られているからこそ、声のトーンや言葉選び、相手の気遣いに対して、あなたは人一倍敏感であるはずです。その「繊細な感性」を言葉にして伝えることで、相手は「自分の良さを分かってくれる人だ」と感じ、あなたとの時間に価値を見出すようになります。
「助けられる側」ではなく、「相手に自己肯定感を与える側」に回ることが、交際希望を引き出す秘訣です。

3. 「伝える勇気」が成婚への近道。プロフィール開示がもたらす驚きの成果

「障害のことをいつ、どう伝えるか」は、婚活において最も頭を悩ませるポイントでしょう。当相談所では、一人ひとりの状況に合わせて個別にアドバイスを行っていますが、統計的に見て最もスムーズに交際・成婚へ繋がっているのは、「プロフィールの段階で伝えておく」という方法です。

かつて、他の相談所で目の状態を伏せて活動されていた方がいらっしゃいました。その方は、お見合いの申し込みこそ入るものの、当日お会いして事情を話すと、その後の交際へは全く繋がりませんでした。お相手からすれば、「会ってから聞かされるのは不意打ちだ」と感じ、不信感に繋がってしまったのかもしれません。

しかし、当相談所へ移り、プロフィールの段階で「見えづらさがあること」と「どのような工夫をして生活しているか」を明記するようにしたところ、劇的な変化が起きました。
なんと、最初から状況を理解して申し込んでくれた方とのお見合いからプレ交際への進展率が「4割」にまで跳ね上がったのです。

最初からハンディキャップを知った上で「会いたい」と言ってくれる人は、もともと多様性に対して理解があり、あなたの内面を見ようとする器の大きい方ばかりです。最初に「伝える勇気」を持つことで、相性の悪い相手との無駄なお見合いを減らし、あなたを丸ごと受け入れてくれる本命の相手と出会う確率を、圧倒的に高めることができるのです。

4. さいごに

婚活は、自分を偽って進めるものではありません。「今の自分」でどう豊かに生きているかを表現し、それに共鳴してくれるパートナーを探す旅です。
お店のメニューひとつ、スマホの拡大機能ひとつをとっても、それは立派なコミュニケーションツールになります。

「自分の見え方で、どう伝えればいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの魅力を最大限に引き出す伝え方を、一緒に考えていきましょう。

次は、あなたの魅力を伝えるための「プロフィール文章」を一緒に作成してみませんか?

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